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“丹後の織物”

京都府北部・丹後地方は、日本海を横切った北西風が大江山連峰にぶつかり生まれるジメジメとした雨やぼってりとした雪に代表される湿潤な地域です。

雨の日が一年の半数以上ある気候が、乾燥するとプツプツ糸が切れる絹織物には適しており、奈良・正倉院の御物にある絁(あしぎぬ)に古来からの丹後織物の伝統を見ることができます。

特に2020年に創業300年を迎える「日本遺産」丹後ちりめんは高度な撚糸技術を加工を要する丹後を代表する織物です。

織機がガチャッと鳴れば数万円儲かると言われた戦後の最盛期「黄金の六十年代」「ガチャマン時代」を経て、多種多様な2~2.5人程度の機屋を中心に、加工場、養蚕・製糸屋、組合、研究機関が山間の小さなエリアに密集した丹後は技術、ノウハウ、ネットワークが高密度で集積される世界でも稀有な地域となりました。

現在では日本国内で流通する約70%を生産する絹和装生地以外にも多種多様な生地をが生みだされる日本の繊維産業を支える一大織物産地・丹後。今も街を歩けばガチャガチャと小気味いい機音が木造・土壁の古民家から聞こえ、丹後の生活の一部としての『織物』を感じることができます。